指ヨガ、ムードラとヨガ

ヨガ

指ヨガは様々な指のポジションや動きを通して行うヨガです。それぞれの指のポジションはムードラと呼ばれています。ムドラーとは手印と訳される手の精巧な動きの型のことである。

ムードラとは?

ムードラは胸の前で合唱をするナマステの挨拶のポジションの簡単なものから、両手を使って指を複雑に交差させながら作るムードラまで幅広く様々なムードラがあります。特定のムードラをつくることで体の中と外に流れているエネルギーをコントロールできると信じられています

ムードラには封印するというもう一つの意味があります。これはあるムードラをつくることでエネルギーを封印させる、あるいは外部からのエネルギー的攻撃から身を守るためにムードラが利用されて来たからです。ヨガのプラクティスのなかでムドラーが用いられています。ムドラーはプラーナ(気)を整え身体のバランスを整える治療行為として施行いられています。

インドの伝統舞踊とムードラ

インド南部における伝統舞踊、カタカリでは踊り手が500以上もあるムドラーと顔の表情などの身体表現でその物語を伝えます。物語ではインドの伝統叙事詩『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』、または神話『プラナス』などから伝えられる物語が演じられています。

仏像とムードラ

ムードラと聞くと少し遠い感じがするかもしれませんが、お寺や博物館などに行って仏像をみると、殆どの神像たちを独特なムードラをかたどっているでしょう。それだけムードラが威力があることを古くからの美術品が伝えてくれています。

それぞれの指の意味

ヨガの世界では指にも一つ一つ繋がったエレメンツ(要素)があります。
親指:火 (アグニ / Agni)
人差し指:空気 (バーユ/ Vayu)
中指:宇宙 (アカシュ / Akash)
薬指: 地 (プリトゥビ/ Prithuvi)
小指:水 (ジャル/ Jal)

ヨガにおける基本ムードラ

ナマステ

これはアジアでは挨拶のときにも用いられるほど一番よく知られているムードラです。これがヨガの一種なのかと思う方もいらっしゃると思いますが、ヨガでのナマステのムードラがよく用いられます。意味は「私はあなたの中にいる神様に敬意を表します」という意味です。エネルギー的にも手のひらから常に放たれているエネルギーを手のひらを合わせることで閉じ、精神を内に向けてエネルギーを温存し心を落ち着かせ、精神統一をしやすくさせます。

チン・ムードラ

ナマステの次によく知られているのがこのムードラです。
親指と人差指の先をつけてつくるムードラです。
このムードラは精神集中を高め、エネルギーを高めるムードラとして知られています。チン・ムードラをつくり手のひらを上に向けて膝の上に置いて瞑想をすると瞑想の効果が高まるといわれています。腰の痛みを和らげることでも知られているムードラです。

アーディ・ムードラ

親指を他の指の中に入れて拳を握って作るムードラ
精神をリラックスさせ、呼吸器官の働きを助けるというムードラ。いびきにも効くと言われています。

効用ごとに紹介するムードラ

ハート・チャクラを開くムードラ

ダイエット/ 減量のためのムードラ:スーリヤ・ムードラ (Surya Mudra)

スーリヤ・ムードラは薬指の爪を親指で覆いかぶすようにつくるムードラ
スーリヤ・ムードラをつくることで食欲を抑え、消化器官の働きを助けると言われています。身体の新陳代謝を活性化させ、コレステロールを抑え、心配する気持ちを安心させるという効果もあるそうです。
スーリヤ・ムードラをつくり手のひらを上に向けて膝の上に置き、一日2回15分ほど瞑想のロータスのポジションで座ると効果的です。

便秘に効果的なムードラ:アパナ・ムードラ (Apana Mudra)

アパナ・ムードラ は中指と薬指の先を親指の先と優しくつけてあげてつくるムードラ
アパナ・ムードラ をつくることで身体で不要になった残余物を身体の外に押し出す活動を活性化されるといわれています。便秘やお腹に不快な感覚がある時に、アパナ・ムードラ をつくり一日二回15分ほど瞑想のロータスのポジションで座ると効果的です。

免疫力をアップさせるムードラ: プラナ・ムードラ (Prana Mudra)

アパナ・ムードラ は薬指と小指の先を親指の先と優しくつけてあげてつくるムードラ。この時人差し指と中指はまっすぐストレートに伸ばしてあげます。
免疫力をアップさせ身体と精神をより強くしてくれるムードラです。生命力のエネルギーを体の中で活発化させます。その為、多方面で効用があるムードらとして知られています。

両手ムードラ 上級編

両手で作る上級編ムードラをご紹介します。いくつかのヴァリエーションがありますのでここで一つ一つご紹介します。

ヨーニ・ムードラ (Yoni Mudra)

ヨーニとはサンスクリット語で子宮を意味します
赤ちゃんが子宮にいるときのようにヨーニ・ムードラをつくることで精神の内なる静けさを感じることができるといいます。

方法:まずは両手を合わせます。親指の先を合わせて下に引き、他の4つの指は曲げて第二関節の裏を合わせます。ちょうどハートを描くような形のムードラが出来上がります。

効用:心の平穏をもたらし、そわそわ、せかせかした状態を落ち着かせます
外の世界の混沌とした状態から自らを切り離して感じられることができます。
神経を落ち着かせます。記憶を取り戻したり、過去生を思い出したりすることもあるそうです。

シェーパナ・ムードラ(Ksepana Mudra)

方法:瞑想のロータスのポジションで座ります。まずは両手を合わせます。人差し指を伸ばします。
左指を上にして親指を交差させます。他の指は握ります。
人差し指を下の方向にして体の中央の下の方向へ向かせます。
10分間このポジションを続け、10分後に両手を膝の上に置いて深く呼吸をします。

効用:ストレス、ネガティブな考え、負の感情を解きほぐして解放させてくれます。何かにとらわれて苦しくなってしまった時にするといいムードラです。

ウッタラボーディ・ムードラ (Uttarabodhi Mudra)

方法:瞑想のロータスのポジションで座ります。まずは両手を合わせます。人差し指と親指のそれぞれの指の先を合わせて伸ばし、上下に開きます。他の3つの指は握ります。人差し指を上へ、親指を下へ向かわせます。

効用:ウッタラボーディは至福を意味します。悟りをひらくためのムードラとして知られています。
10分ほどこのムードラで座るとポジティブに考えられるようになります。憂鬱だったり、モチベーションが沸き起こらない時にこのムードラをつくるとポジティブに元気になります

指ヨガの紹介

指ヨガはとくにシーク教のグル(師)であるヨギ・バジャンから伝わるクンダリーニ・ヨガのクリヤで複雑で発達したシークエンスがよく見られます。

Sa Ta Na Ma 指ヨガ

瞑想のロータスポジションで座ります。

Sa(サ)と発音しながら人差指と親指の先をつけます。
Ta(タ)と発音しながら中指と親指の先をつけます。
Na(ナ)と発音しながら薬指と親指の先をつけます。
Ma(マ)と発音しながら小指と親指の先をつけます。

下のユーチューブの画像を見て指のポジションを確かめ、音楽と一緒にSa Ta Na Ma 指ヨガを30分ほどプラクティスしてみましょう。時間がない時は10分でも大丈夫です。

意味
Sas(サー):無限、宇宙、始め
Taa(ター):生命、存在
Naa(ナー):死、変化、変容
Maa(マー):再生、再び生まれ変わること

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