究極のリラックス!おうちでできるリストラティブヨガポーズ5選

リストタティブヨガ
ヨガ

リストラティブとは心身回復を意味します。「リストラティブヨガ」とはさまざまな補助道具を使用して、無理のない姿勢でゆっくりとヨガポーズをとることにより、緊張を緩め、エネルギーの回復へと導くリラックス系のヨガスタイルです。今回はおうちでできる究極のリラックスポーズ5選をご紹介します。

リストラティブヨガとは?

リストラティブヨガとは、健康を回復(Restore)するためにアイアンガーヨガをルーツに体系化されたヨガのスタイルです。

すでにアメリカでは非常に人気のあるタイプのヨガであり、近年は日本でもリストラティブヨガの需要が高まりつつあります。

リストラティブヨガは、ブロック・毛布・ボスルター・ベルトなどのプロップス(道具)を使用します。プロップスを使用し、緩やかに全身を圧迫したり伸ばしたりすることで身体的な不調を取り除き、脳の働きを鎮め、精神を安定させ、完全なリラクゼーションを作り出します。

全身の疲労回復、ストレスやそれに付随するさまざまな不調の回復にも効果的です。

どういう人におススメ?

仕事や日々の生活に疲れている方、常に神経が高ぶっている方、精神的に落ち着きがほしい方に向いています。

このような方におススメのヨガだとわかると「仕事と家事を両立していて毎週アクティブなヨガクラスに参加している私にはリラックス系のヨガは必要ない」と思う方も多いと思います。

しかし、実はそのような方にこそ実践して頂きたいのがリストラティブヨガなのです。

バリバリ仕事をされている方などは常に交感神経がONになっていることが多いので、副交感神経とのバランスがうまくとれていないことが多いです。その場合は、意識的にリラックスする時間を設けることが必要になります。

わざわざリストラティブヨガのクラスに参加しなくても、週に数回、寝る前にリストラティブヨガのポーズを行ってみてください。きっと交感神経と副交感神経のバランスが整ってきて、より日常生活が充実してくるはずです。

陰ヨガとは何が違うの?

最近よく見かける〈陰ヨガ〉と〈リストラティブヨガ〉は何が違うの?と思われた方も多いと思います。

陰ヨガは、筋肉を緩めながら体の奥にある骨や関節をつなぐ結合組織に意識を向け、気の通り道である「経絡」を刺激します。アライメントはあまり気にせず、自分が気持ちいいと思うところで静止して数分ホールドします。ポーズによっては「痛いけど心地よい」と感じる方もいます。

リストラティブヨガは、さまざまな道具に身をゆだねて完全なリラックス状態をつくります。一つのポーズで5〜20分ほどホールドすることで神経を鎮め、深いリラクゼーションを得ることができます。絶対に無理はせず、一番リラックスできる状態を目指します。

陰ヨガは「股関節や背骨まわりのゆったりと深いストレッチ=少し頑張って耐える」
リストラティブヨガは「身体を楽な状態にして、心を楽にする=頑張らない」

このようにシンプルに説明すると、違いがイメージしやすいかと思います。

リストラティブヨガに用意したいおすすめアイテム

リストラティブヨガで使用する主な道具のご紹介です。

・ボルスター
・ブロック
・ブランケット
・ストラップ
・椅子
・アイピロー
・タオル
・マット
・壁

リストラティブヨガのクラスに参加すると、このようなプロップス(道具)を使用します。
おうちで本格的に取り組みたい場合は通販などでも購入することができるので、そろえるのもおススメです。

道具を使うって難しそう?おうちにある物で代用できる!

こんなにたくさんの道具を揃えなくちゃいけないの?
と思われるかもしれませんが、おうちにあるもので全て代用することが可能です。

毛布、枕、タオル、をうまく活用して行えば問題なくおうちでリストラティブヨガを行えます。

効果と実践方法は?おうちでできるリストラティブヨガポーズ・仰向け編

屍のポーズ(シャヴァーサナ)

効果

・心身の疲れをとる
・神経を鎮め、心を落ち着かせる
・脳を休める
・ストレスや軽いうつの軽減
・ストレスからくる頭痛、疲労、不眠症の緩和

ポイント

・両腕を体側から離す
・手のひらを上に向けて胸を開く
・腰とボルスター/枕/毛布のあいだは拳一つ分あける
・脚の力を抜く
・ゆっくり呼吸して5〜10分ほどキープする

注意点

・後ろに倒れるときは、腰に負担がかからないようにヒザを曲げて手のひらで床を抑えながらゆっくり倒れる
・わきの下に卵一つ入るくらいスペースをあける
・眉間のしわをとって目元をリラックス、喉元をあけて首回りもリラックス
・ポーズを終わるときは、まずヒザを曲げた状態で右側に倒れ、左の手のひらで床を押してゆっくり起き上がる

横たわったがっせきのポーズ(スプタバッダコナーサナ)

効果

・思考がのんびりになり心が安らぐ
・心臓の活性化、全身循環の改善、疲労回復
・太ももの内側、鼠蹊部のストレッチ
・胸を開くので呼吸がしやすくなる
・腹部、横隔膜のストレッチ
・卵巣や前立腺、膀胱、腎臓などの腹部組織の活性化
・ストレス軽減
・月経中や更年期障害の症状緩和
・生理痛、PMSの症状の緩和
・特に女性に効果的

ポイント

・両腕は体側から少し話す
・手のひらは上に向けて胸を開く
・ベルトがない場合は、タオルを折りたたんで太ももの外側に置く
・顔の力を抜いて深い呼吸をする
・5〜10分ほどキープする

注意点

・ポーズを終わるときは、まずヒザを曲げて数秒ホールドする
・ヒザを曲げた状態で右側に倒れ、左の手のひらで床を押してゆっくり起き上がる
・股関節に痛みがある場合や足をあまり開けない場合は、折りたたんだタオルを数枚重ねて太ももの外側に置き支えにする
・足の裏は無理に合わせなくてもいいので、心地いいと思うところまで足を開いてみる
・鼠蹊部やヒザに問題がある場合、このポーズは行わない方がベター

おうちでできるリストラティブヨガポーズ・前屈編

開脚前屈(ウパヴィシュタコナーサナ)

効果

・脚の内側と裏側のストレッチ
・鼠蹊部を緩める
・腹部組織の活性化
・骨盤周辺の血行促進
・月経正常化
・脳を落ち着かせる

ポイント

・前屈が苦手な場合は、椅子や壁を使って支えに高さを出す
・腰に負担がかからない程度の前屈をするには支えに高さを出す
・右ほほを支えにつけて深い呼吸をするようにして5〜10分キープする
・次に左ほほを支えにつけて深い呼吸と共に5〜10分キープする

注意点

・ポーズを終わるときは、手のひらで床を押して頭が最後に上がるようにゆっくりと起き上がる
・脚を伸ばして前屈をするのがニガテな場合は、ヒザを曲げてもOK
・前屈をすると股関節に痛みや違和感が生じる場合は、支えに高さをつけて負担を軽減する
・腰に問題がある場合このポーズは行わない方がベター

おうちでできるリストラティブヨガポーズ・ねじり編

前屈のねじりのポーズ(パールシュヴァパヴァンムクターサナ)

効果

・背骨の柔軟性を高める
・体側と背中のストレッチ
・背中の緊張、痛みの緩和
・腹部の緊張の緩和
・整腸作用

ポイント

・吸う息で体を上に伸ばし、吐きながら手のひらで床を押させてゆっくりと前屈してく
・腰とボルスター/枕/布団をぴったりくっつける
・下の足は真っすぐ伸ばしても曲げても、どちらでもOK
・右ほほを支えにつけて深い呼吸をするようにして5〜10分キープする
・次に左ほほを支えにつけて深い呼吸と共に5〜10分キープする

注意点

・ポーズを終わるときは、まず顔を正面に戻し、手のひらで床を押しながら頭が最後に上がるようにゆっくりと起き上がる
・妊娠中やひどい下痢の場合、このポーズは行わないのがベター

おうちでできるリストラティブヨガポーズ・逆転編

壁に脚をあげるポーズ(ヴィパリータカラーニ)

効果

・不安、不眠症、軽いうつ
・関節炎
・消化不良
・頭痛、片頭痛
・高/低血圧
・呼吸器疾患
・尿障害
・生理痛、PMS、更年期障害

ポイント

・両腕は体側に伸ばし、手のひらは上に向ける
・肩の力を抜く
・腰に力が入らないようにベストなポジションを定める
・余裕があれば、足の裏を合わせてがっせきのポーズにするのもOK
・深い呼吸を意識しながら5〜10分ほどキープする

注意点

・ポーズを終わるときは、まずヒザを曲げて両手で抱え、そのままゆっくり右側に倒れ、左手のひらで床を押してゆっくりと起き上がる
・少しでも腰に負担がかかりそうな場合は無理して行わない
・腰に深刻な問題がある場合、緑内障のような深刻な目の病気、生理中にはこのポーズは行わない方がベター

おすすめのヨガポーズ解説本

リストラティブヨガをおうちでやるときに注意すること

完全なリラックス状態になるリストラティブヨガは一言で表すと、睡眠でもメディテーションでもなく「休息」です。自分の内側を観察していくことで、リラックス状態にもっていきます。
ただ「寝る」ことではないので、そこの違いを理解しておくとより良い状態になれるでしょう。

リストラティブヨガを行ううえで最も大切なのが、環境です。
安全で、暗くできる部屋、心地よい室温が保たれている場所を確保しましょう。
できればスマートフォンは機内モードに設定し、音が鳴らないようにしましょう。
体が冷えるとリラックスできないので、ゆったりとした温かい服を着て、冷え性であれば靴下も履きましょう。

環境を整えたうえで究極のリラックス状態に入ることをおススメします。

自分の体調や気分と向き合うこともヨガの一つ

エクササイズやトレーニングを日々行うことは心身に良いとされていますが、過度に行うと逆効果になってしまいますよね。

ヨガも全く同じです。

ストイックにアクティブなヨガばかり行っていると次第に心身が悲鳴をあげてきます。厳しく鍛えることだけが良いわけではなく、何事もバランスをとることが一番大事ですよね。

アクティブなヨガが好みなら、月に1〜3回はリラックス系のヨガクラスに参加したり、おうちでリストラティブヨガのポーズを少し行うなどして必ずバランスをとってあげてください。

フィジカル面だけではなく、気持ちと向き合うのも大切です。
今日はあまり気が乗らないけど毎週のルーティンだからアクティブなヨガクラスに参加しないと、ということはあまりおススメできません。気が乗らないのであれば、何かしら原因がありますよね。
そういう場合は自分と向きあって、心身ともにいたわるのが真のヨギー・ヨーギニではないでしょうか。

自分の体調や気分と向き合えてこそ、本当のヨガを楽しめるはずです。

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