ストレスをきちんと解消 – ヨガで自律神経を整えよう

横になって呼吸
ヨガ

自律神経という言葉を聞いたことはありますか?便秘、イライラ、頭痛などストレスからくる身体の不調は、実は自律神経の乱れからきている可能性があります。今回は、ヨガのポーズと呼吸法で自律神経のバランス整える方法をご紹介します。

ヨガと自律神経の関係性

自律神経は「自律的に」動いているので、意識的に制御できないと考えられていました。

しかし、呼吸や姿勢を整えることで自律神経を間接的にコントロールできることが最近の研究でわかってきました。

呼吸と姿勢を整えるといえば、ヨガですよね。
ヨガを上手に取り入れることで、自律神経の乱れを正常に戻すことができるのです。

自律神経とは?

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」から成り立っています。
反射的、自動的に動くので「自立神経」と呼ばれています。

この「自律神経」は、胃や腸や心臓の動き、代謝や体温調節など、人間が生きていくのに欠かせない働きを行っています。

「交感神経」は、運動や緊張など活発・興奮状態のときに働く神経です。
「副交感神経」は、睡眠や入浴、食事など体がリラックスしている状態のときに働く神経です。

自律神経は、この相反する2つの働きでバランスを保っています。

自律神経と呼吸の関係

呼吸

自立神経は、交感神経と副交感神経でバランスを保っています。

過度なストレスや生活リズムの乱れ、環境の変化などが自立神経のバランスを崩す原因といわれています。

自律神経は、意識的にコントロールすることはできません。

しかし、交感神経と副交感神経は呼吸と密接に関係しているので、意識的な呼吸を通じて自律神経に働きかけることができます。

自律神経のバランスが安定すると

自律神経のバランスが安定すると、身体の不調や精神疾患の状態が改善されます。

交感神経と副交感神経にそれぞれ作用している神経伝達物質は、ドーパミンとノルアドレナリンです。

そして、このドーパミンとノルアドレナリンを制御している神経伝達物質がセロトニンです。

キーワードは〈セロトニン〉

セロトニンは別名「幸せホルモン」と呼ばれるほど、自律神経の安定に深く関わっています。

幸福を感じている状態は、セロトニンが活性し、正しく機能することで、ドーパミン・ノルアドレナリンのバランスをうまく制御できている状態といえます。

セロトニンが欠乏すると?

セロトニンが欠乏すると、うつ病や自律神経失調症などの精神疾患、睡眠障害など多くの身体の不調につながるといわれています。

ヨガの呼吸法はセロトニンを増やすのに有効で、自律神経への働きかけに期待ができます。

呼吸法を通して自己をコントロール

呼吸法は自律神経に作用します。

ヨガの呼吸法(腹式呼吸)で、息を吸ったときに交感神経が優位に、吐いたときに副交感神経が優位に立ちます。

深い呼吸を行い副交感神経を優位にさせることができ、ストレスや痛みの緩和、不安感を抑えるなど、リラックスや幸せな状態を感じることができます。

普段から呼吸を意識していると、自分の心が乱れた場合でも対処できるようになります。

自律神経を整えるヨガ・おすすめフロー

うさぎのポーズ(シャシャンカーサナ)

うさぎのポーズは、目の疲れ・頭痛・肩こりや首の痛みの改善に効果的。

腹部の引き締めの効果も期待できるポーズなので、お腹周りが気になる人にもおすすめ。

ポイント

・床で四つん這いになる
・おでこを床につける
・両手を床につけたまま、つむじを床につける
・余裕があれば両手の指を背中の後ろで組む

コツ

・余裕があれば、背中の後ろで組んだ両指を頭の方へおろしていく
・首は左右に動かさないように意識する
・吐く息と共にオヘソを背骨に近づけるように意識する
・首や肩回りに力が入りやすいのでできるだけリラックスする

注意点

・月経中で貧血気味のときはこのポーズは行わない
・ポーズを行った際に首や頭頂部などに痛みや違和感を感じた場合は中断する
・ポーズに入り30秒ほどポーズをホールドする
・ポーズから出る時は、息を吐きながらゆっくりと腕をおろし、手のひらを床につけたら、頭をゆっくりと元の位置に戻す

橋のポーズ(セツ・バンダ・サルヴァンガーサナ)

橋のポーズは、胸、首、背骨のストレッチ・消化の改善・月経時の不快症状の軽減・頭痛・不眠症の軽減・ぜんそく・脳の休息・ストレスと軽いうつの緩和に効果的です。

仰向けからスタートするポーズなので、疲れている人や、夜寝る前に行いたい人にもおすすめ。

ポイント

・床の上に仰向けになる
・両ひざを曲げ、かかとは坐骨(お尻)の近くに置く
・両手のひらを下に向け、両手をまっすぐ体側に伸ばす
・手のひらで床をしっかり押し、吸う息で腰と背中をゆっくりと床から離す
・アゴは胸に近づける

コツ

・足の裏でしっかりと床を押す
・ポーズに入るとヒザが開きやすいので、特に足の親指の付け根と土踏まずの内側で床を押すイメージをする
・余裕があれば、肩を内側に入れ両腕を背中の下にずらし、手の指を組む
・指を組んだときに、下の小指を折りたたみ手のひらの中に入れると、床を押しやすくなる
・ポーズから出るときは一気に背中を床におろさず、背骨の首の方からゆっくりとおろしていく

注意点

・このポーズを行うときは絶対に首を左右に動かさない
・首に故障がある人はこのポーズを行わないようにする(経験を積んだ指導者のもとならOK)
・呼吸を意識しながら30秒〜1分ほどポーズをキープし、吐くいきでゆっくりと背骨をロールダウンして床におりる
・3〜5回ほど繰り返す

鋤のポーズ(ハラーサナ )

鋤のポーズは、脳を休める・腹部組織と甲状腺の活性化・肩と背骨のストレッチ・ストレスや疲労の軽減・頭痛・不眠症などに効果的。

リラックス効果も高いポーズなので、気持ちが落ち込み気味のときにもおすすめ。

ポイント

・肩立ちのポーズ(サーランバ・サウヴァンガーサナ)を行う
・息を吐きながら脚の付け根を折り曲げ、足指を頭の向こうの床へおろす
・両手で背中を押して天井のほうへ上げる

コツ

・できるだけ両脚を伸ばした状態を保つ
・ポーズに入ったら、アゴを胸から離して引き喉元にスペースを作る
・首に負担がかからないように、首は左右に動かさないように意識する

注意点

・妊娠中はこのポーズは行わない方がベター
・ポーズに入ったら30秒〜1分ほどホールドする
・ポーズから出るときは両手で背中を支えて肩立ちのポーズに戻り、背中を丸くしながらゆっくりと脚を床におろしていく

どうしてもしんどい時は

ヨガ、呼吸法、さまざまなことを試してみたけど身体の不調や精神疾患が改善されないという場合、太陽の力や笑いの力に頼ってみるのも一つの手です。

太陽の力に頼ってみる

日光浴で太陽光を浴びると、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。

日光浴をすると交感神経が刺激され、それによりセロトニン神経の働きが活発になり、セロトニンを増やすことにつながります。

日光浴、散歩などどんなことでもいいので太陽光を浴びるように心がけましょう。

笑いの力に頼ってみる

セロトニンは笑うこと・笑顔を作ることでも分泌されます。

お腹の底から笑うこと、声をだして笑うことはもちろん絶大な効果が期待できます。

声を出して笑わなくても口角をあげるだけで、脳が勘違いを起こし、セロトニンの分泌量が増えるそうです。

自分だけのセルフケア術を見つけよう

日々のストレスをなくすことは難しいですよね。

なので、自分だけのセルフケア術を見つけることが、心身を良い状態に保つ秘訣です。

リラックスできる匂いのアロマオイルを揃えてみたり、笑える映画やドラマを見ることを習慣にしてみたり、休日は1時間ウォーキングをして太陽光を浴びるようにしたり、お気に入りのお茶をゆっくり飲む時間を作ったり、自分が継続しやすいセルフケア術を探してみてください。

きっと、ふとした瞬間に、心身共にいい状態でいられている自分に気が付く日が来るでしょう。

関連記事一覧