ヨガと瞑想 – その瞑想の基本と効果

ヨガと瞑想
ヨガ

ヨガと瞑想は深く連関しています。心と体の平穏を保つためのシンプルな瞑想法をここでご紹介いたします。

ヨガと瞑想、瞑想の基本とその効果

ヨガと瞑想

ヨガとはサンスクリット語で”融和(union)”を意味します。
ヨガを修練することで心と体、精神のハーモニーを取り戻し、平穏な心身の状態を保てるようにすることです。
ヨガの起源でもあるインドのヒンドゥー教の教えでは”神と一つになること(Oneness with God)”と教えます。
ということで、ヨガは語源から辿りますと身体をとおしたアサナを作るエクササイズだけではなく、神との融合を果たすために行うあらゆる修練の方法、プロセスを全てヨガに含むということになります。

近年、フィットネスセンターや各種スタジオなどでたくさんの人々が美容や健康のためにヨガをするようになって、とてもいい時代が訪れたと思います。
長い間、少しずつ潮流を残して来たヨガですが、やっと日の目を見ることができてインドの聖人たちもきっと喜んでいるでしょう。

さて、私がヨガを師事した先生は、ヨガをする際は瞑想を必ずするようにと教えて下さいました。
なぜなら、心と精神、体のバランスを整えるためには瞑想はとても重要なプラクティスだからです。
みなさんは瞑想と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?以外と瞑想は誰でも簡単できるプラクティスですので、ここで是非ご紹介したいと思います。

瞑想の基本:姿勢と呼吸

姿勢(ポジション)

瞑想を始める際、一番大切なことは呼吸と姿勢です。

まずは、瞑想をするのに一番適したロータス(蓮の花)のポジションで座ります。
あるいは、椅子に座っても大丈夫です。

座った際にます座骨、尾てい骨のあたりが心地よく床に接していることを確認します。
左右に少し揺らしてみて心地よい真ん中のポジションをつかみましょう。
そのポイントを中心に、背骨を下の方から少しずつ真っすぐに上部に重ねていきます。
初めは鏡の前に座って背骨が真っすぐ延びているかを確認するのもいい方法でおすすめします。
自分は真っすぐだと思っていていても、意外とおなかの方にS字型に反れていたり、猫背になっていたりするものです。
鏡で背骨が真っすぐの位置になっているかを確かめることができたら、その姿勢を、鏡を見ないでも保つことができるように筋肉の使い方を覚えておきます。
おなかの方にS字型に反れている方は腹筋を使い、おなかを中心へ引っ込めると共に背骨を上の方へ引き上げ、肩甲骨を中心へ引き上げることで真っすぐな姿勢を作ります。

猫背の方は腹筋と背筋を使い背骨が真っすぐになる位置をつかみます。

頭のてっぺんの真ん中にあるポイント、クラウン・チャクラから天井でだれかが引っ張っているようにまっすぐ背骨を延ばします。

首はリラックスさせ、あごは軽く引きます。

この姿勢を保つことができるようになれば、次の段階、呼吸方へ入ります。

呼吸方法

呼吸を深くします。
息を吸って、はいてを深く、深く、繰り返します。
息をはく時には肺の中の空気が全て外へ出るように心がけます。
息を吸うときは肺の中が空気で一杯になるようにします。
ここで覚えておきたいことは瞑想の基本の呼吸方法は腹式呼吸だということです。
息をはくときはお腹が引っ込み、息を吸うときはお腹が膨れるという腹式呼吸です。
なぜ肺で呼吸するのにお腹が膨れたり引っ込んだりするのかと疑問に思う方もいらっしゃると思います。
それは息を深く吸ったりはいたりする時に肺が伸び縮みするのですが、その際に肺のすぐ下にある横隔膜も一緒に伸縮することになるからです。
横隔膜はお腹に繋がっていますのでお腹も一緒に伸縮します。
呼吸をイメージする上でも空気が体の深く、お腹の位置までに入って来て空気のプラナ(気のエネルギー)が体を満たして行く、とイメージした方が深く呼吸ができます。
息をはく時も同様、体の中心のお腹から空気が外へ出て行き、深いところに溜まってしまった負のエネルギーを外へ流しだすイメージを持って深く息をはきます。

目を瞑って、背骨を真っすぐ伸ばした状態で、この深い腹式呼吸を繰り返します。
精神は呼吸へ統一させます。
精神を呼吸へ集中させることで日々考えることに慣れてしまっている頭に休息を与えます。
空気が体の中へ入って来て、また送り出してというプロセスを繰り返す中で不思議と精神が落ち着いてくることを感じることでしょう。
呼吸は「今」しかできません。

通常、日々の生活の中でストレスを感じてしまう時は、精神が未来、或は過去へ行ってしまっている状態なのです。
未来へ行ってしまっている場合は、未来へ最悪のシナリオを投影させて「恐れ」を感じてしまっている状態だったり、少し軽い場合は心配してしまったりします。
精神が過去へ行ってしまっている状態は、例えば何かを後悔してしまっていたり、過去にあった出来事を頭の中で何度も再生してしまい、嫌な感覚を引きずってしまっていたりします。
このように精神が軽いタイムスリップ状態に陥り、混沌としてしまっている状態を、平穏な精神の境地へ戻してくれることができるシンプルな方法が、瞑想ということです。
私たちが常に「今」を生きることができれば、私たちの心は平和を保つことができます。

この「今」の力に関して、オススメの本は海外でもベストセラーな名著、「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる」 エックハルト・トール著です。
この本の英題は”Power of Now”で「今の力」と直訳することができます。
精神を「今」へ統一させることで私たちはもっとシンプルに生きることができるという教えをわかりやすく、心にストンと入ってくるように書かれてあります。

ヴィパッサナー瞑想

ヴィパッサナー瞑想とは?

ヨガと同様、瞑想の方法にも様々な方法があります。
ヴィパッサナーは「ものごとをありのままに見る」という意味で、インドで最も古代から伝わる瞑想法の内の一つです。
世界的にも一番人々に知られている瞑想方はきっとヴィパッサナー瞑想ではないかと思います。
ヴィパッサナー瞑想方はとてもシンプルです。

この瞑想方法はまず、目を瞑り、精神を呼吸へ集中させるところから始まります。
呼吸を深く繰り返す中、頭の中には色々な考えが浮かんできます。
その浮かんで来た考えを、呼吸をしながら背骨を真っすぐにした状態で中心にいながらシンプルに、客観的に観察します。
浮かんで来た考えに対して、何か感情的に反応するのではなく、中心を逸脱することなく、その考えを観察するのです。
そうすると、その考えはある時、目の前を通り過ぎる知らない人のように通り過ぎて行きます。
また少し経つと他の考えが浮かんできます。

この場合も同様、深い一定のリズムで繰り返される呼吸に精神を統一させ、平穏を保ちながらまるで人ごとのように客観的にその考えを観察します。
その考えが良いか悪いか、好きか嫌いか等の判断を一切せずに中心を保ち観察します。
するとある時その考えが通り過ぎて遠くへ去って行くことになるでしょう。
追うことをせずに中心を保ちながら深く、深く、呼吸を繰り返します。

このシンプルな方法がヴィパッサナー瞑想の基本になります。

ヴィパッサナー瞑想の奥深いヨガの教え

この方法はシンプルですが、とても奥深いヨガの教えが凝縮されています。

まずは「何事も判断しないでありのままを受け入れる」ことです。

通常私たちが、心に悩み事があったり、煩わしいことを抱えているときは、自分が、あるいは他者が何かしたことに対して否定的な感情を抱えているからです。
仏教の教えでは人は善であり、全ての人が最善を尽くしているということを前提とします。
人々が過ちをおかしてしまうのは、その人が「悪い人」であったり「罪人」であるからではなく、人生を賢明に生きて行く上で知っておかなければならない知恵を知らないからだと教えます。

その行いが後に自身へ、或は周りの人々を患わせることになるということを知っていればその行いをしなかったでしょう。
その行いをしたことで、その人は学ぶべきレッスンを学びます。
そのため、その行いへの否定的な感情を引き続き抱くことは自己破壊へ導いてしまうという教えになります。
過去にあった負の出来事から自由になり、解放されるにはこの瞑想法がとても効果的です。
考えが瞑想を通して通り去って行く過程において、泣き出す方もたくさんいます。
精神の浄化のプロセスにおいて涙は心を洗い流してくれるアムリタ(聖水)となります。

否定的な考えばかりでなく、嬉しかったこと、幸せだった体験なども同様に浮かんでは通り過ぎさせ、というプロセスを、呼吸を中心に瞑想することで繰り返します。
この瞑想を一定の期間しますと、心のバランスがとれるようになります。

良いことも、悪いことも、見方次第ですし、どちらの経験に対しても感謝の気持ちを持って接することができるようになるでしょう。
人生で大切なことは得るものはなく、魂の成長の過程にあること。
大切なのは私たちの命をいつの時も祝福すること、生きていることに感謝すること、というセージ(賢者)の教えを感じられることになると思います。

魂の世界では量はあまり重要ではなく、質が重要になります。

この魂の平穏の境地を少しでも、瞬間でも瞑想を通して感じられるようになれば、私たちの日々の生活で明るい変化が訪れることでしょう。

みなさまも、シンプルなこの瞑想方法を体験されてみませんか?

Vipassana Meditation: Japan

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