効果はあるの?半日断食のやり方と注意点
半日断食とは、一日の3食のうち、1食もしくは2食抜くだけを抜く、半日だけの断食のことを言います。完全な断食とは違い、日常生活を送りながら、ご自分で安全に行うことができます。 心身ともに解毒と変化を体験できるホリスティックなツールとして、ぜひ生活に取り入れてみましょう。
半日断食とは?
半日断食とは、一日の3食のうち、1食もしくは2食抜くだけを抜く、半日だけの断食のことを言います。完全な断食とは違い、日常生活を送りながら、ご自分で安全に行うことができます。
断食と言うと、いわゆる修行のようなイメージがあるかもしれません。ですが、もともと断食は自分を苦しめるものではありません。インドの古代からの医学的な叡智であるアーユルヴェーダでは、断食は最も効果のある治療とされています。
半日断食の効果
では、半日断食の効果とはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。
内臓を休める
身体が食べ物を完全に消化し、吸収、排泄するためには、およそ18時間かかると言われています。ということは、毎日休まず3食食べていると内臓は絶えずオーバーワークにさらされていることになります。それが、老廃物などの原因を生み出します。私たちも、365日24時間働き続けていたら、疲れて仕事の効率も下が流のではないでしょうか。それと同じで、内臓にも休息が必要です。内臓を休めることで、次のような効果があると考えられています。
・慢性疲労の解消
食べ物の消化と吸収に使われる血液が、脳や他の部分にも送られるようになります。その結果、血液の循環も促進され、慢性疲労が解消されます。
・頭がスッキリする
慢性疲労の解消と同じく、脳にも血液が回るようになります。
・よりエネルギッシュに
消化吸収には多くのエネルギーが費やされていると考えられています。そのエネルギーを他の活動に向けることができるため、多くの人がよりエネルギッシュに感じる体験をしています。
デトックス効果
まず一つ目の効果としては、デトックス効果が挙げられます。
代表的なものが、宿便の排出です。腸内環境を綺麗に保つことはとても重要です。最近の研究では、腸は体調を整えるだけではなく、免疫力や心の健康にも関わっていることがわかってきました。朝は排出の時間と言われています。人間の身体の仕組みとしては、吸収と排泄は同時にできないと考えられています。半日断食をすることで、内臓器官が排出に集中することができます。
また 腸内環境を整えることや、後に述べる脂肪分解などの効果から、血液循環の向上や新陳代謝が促進されると考えられています。これにより、細胞内などに溜まっている不必要な化学物質などの毒素や老廃物を外に出すデトックス効果も期待できます。
体質改善で長期的なダイエット効果
脳はブドウ糖をエネルギー源としていると考えられており、そのため朝は必ず食べるべきだと考える方もいます。ですが、実際のところ、ブドウ糖が供給されなければ、身体はブドウ糖ではなく、脂肪を分解して作るケトン体からエネルギーを補給するようになります。このような環境に身体を慣らすことで、効率よく脂肪を減少させる体質となることが考えられます。
しかし、体重減少は一番の目的ではありません。
半日断食では朝食を食べないため、少し体重が軽くなったと感じることがあるでしょう。ですが初めの頃の体重減少は主に脱水によるものです。長期的に続け、体質が徐々に変化した結果、健康的な体重になることができるでしょう。
心もクリアに
先ほど述べたように、身体は消化と吸収に実に多くのエネルギーを使っています。そのエネルギーを、瞑想など内面へ向けてはいかがでしょう。
断食の経験者の体験例には、次のようなものがあります。
- 五感が研ぎ澄まされる。例:視界がよりクリアになる。音がよりはっきりと聞こえる等
- 感性が冴える。
- ストレスに強くなる。
- 心が安らかになる。
- 身体も心もよりエネルギッシュになる。また、持久力が増す。
- 寝つきが良くなる。
- 集中力が増す。
- 思考力や記憶力の向上。
これらの体験には個人差があります。また、初心者と長期継続している人とでは体験も異なるため、一概には言えません。ですが、 断食を行うことによって、前述のように体内で様々な化学反応や変化が起こり、内分泌系など身体全体が影響を受け、変化します。そしてそれは心にも大きく影響します。
また、食べ物に対する感謝、生きているという実感などを感じる方もいます。
半日断食を、身体の浄化だけではなく、心の浄化の機会として生かしてみてはいかがでしょうか。
続いて半日断食の具体的な方法です。
半日断食の具体的な方法
半日断食とは、基本的には一日のうち朝食の1食、もしくは朝食と昼食の2食を抜くことです。
今回は、朝食だけを抜く半日断食についてご紹介いたします。
次の3つのステップを計画しましょう
- 前日の夕食
- 当日の朝
- 当日の昼食=復食
では、順を追って見ていきましょう。
1.前日の夕食
軽めの食事を心がけましょう。おかゆや野菜中心のおかずなどは良い準備食となるでしょう。気をつけなければならないのは、次の日が半日断食だからと言って、暴飲暴食をしないことです。前日にたくさん食べ過ぎてしまうと、かえって強い空腹感に襲われることになる可能性があるからです。
また、早めの夕食を心がけ、夜食などは控えましょう。というのは、 基本的には、前日の最後の食事から翌日の昼食まで18時間以上間隔をあける必要があるからです。これは、人間の体は消化と吸収におよそ18時間かかると言われているからです。
ですので、前日の夕食が夕方6時の場合は、翌日の昼食は昼の12時、夕食が夜の8時なら次の昼食は昼の2時頃になります。
2.当日の朝は水分のみ
半日断食の当日の朝は、水分のみを摂取します。
脱水症状に注意し、最低500ml以上の水分を摂るようにしましょう。また、朝に水分摂取をすることで、寝ているうちに失った水分を補給し、かつ胃腸を刺激し、排出を促進させます。
水や白湯が基本です。ですが、始めたばかりの方、空腹感に耐えられない方などは、野菜ジュースや100パーセントの果物ジュース、青汁、お茶などでも大丈夫です。乳製品は避けたほうが良いでしょう。水とこれらの飲み物を合わせて合計が500ml以上であれば大丈夫です。
3.当日の昼食—復食
半日断食明けの”復食”は、とても大事です。胃腸はしっかりと休息を取っているため、ゆっくりと起こしてあげるような気持ちで摂りましょう。
具体的には、重湯、おかゆが一番良いでしょう。その他、野菜スープなどでも良いでしょう。赤ちゃんに食べさせるようなイメージで摂ると良いでしょう。
半日断食の注意点
半日断食をするにあたって、次のような点に注意する必要があります。
実践を避けるべき症状や病気
以下にあげるような症状や病気などをお持ちの方は、自分の判断で半日断食を実践することは控えてください。必ず、主治医の先生などに相談するようにしましょう。
- 高血圧、糖尿病などの方
- 脳卒中や心筋梗塞を起こしたことのある方。
- 狭心症、心室性不整脈など、心臓や腎臓に障害をお持ちの方。
- 肝炎、肝硬変、十二指腸潰瘍など、その他の臓器に障害をお持ちの方。
- 精神病、重度のうつ病などの方
- 副腎皮質ホルモンなど、中断すると危険のある薬を服用中の方。
- 妊娠中、授乳中の方。
また、健康な方であっても、1日以上の断食をする場合は、必ず経験と知識のある指導者の元で行うようにしてください。
脱水症状
脱水症とは、体内の水分と塩分(ナトリウム)から成る体液が不足している状態を言います。半日断食中は、塩分は摂らないか、ほぼ摂らないにもかかわらず、尿から水分と一緒に塩分も失います。そのため、これ以上体内の塩分を薄めないようあまり水分を摂りたくなくなります。しかし、そのままでは脱水状態が続いてしまいます。ですから、水分には気を配り、最低500mlは摂るようにしましょう。
早速実践。でも、こんな時は?
空腹感に耐えられなくなってしまったら?
どうしても空腹感に耐えられなくなってしまったら、無理をして続ける必要はありません。まずは、自分の気持ちや体の状態を受け入れ、果物やおかゆなどを食べてリラックスしましょう。自分を責める必要はありません。気長に、また機会を作り、何度もトライしましょう。はじめは空腹感が強く出ますが、継続していくうちに、心身ともに慣れてきます。半日断食を行う目的などを思い出し、決意を新たにするなどすることも助けになるかもしれません。
心身に他の症状が出たら?
半日断食を実践する中で、体がだるくなったり、頭痛がしたり、イライラしたりするなど、人によって様々な体験をする場合があります。これらの症状は、一過性の場合もあれば、続く場合もあります。気になる場合や長期的に継続する場合は、自分の判断で実践を継続せず、必ずお医者さんや、経験と知識のある指導者の方などに相談するようにしましょう。
半日断食で心も体もリフレッシュ
半日断食は、内分泌系なども含む様々なシステムが協力し合い、内臓だけではなく身体全体の解毒と改善を行う方法です。
また、身体だけではなく内面でも生命について考えたり感謝を感じたりするなど、心身ともにポジティブな効果が得られる、とてもホリスティックなツールです。
心も体もリフレッシュし、生きる力を引き出す半日断食。まずはお休みの日など、ゆっくりできるリラックスした時間に、お試しになってはいかがでしょうか。