ヨガの逆転のポーズのメリットとは?やり方や効果、注意点をきちんと学ぼう

ヨガ

ヨガポーズの王様といえば、逆転のポーズ。ヘッドスタンドなど、インパクトの強い逆転のポーズは、ヨガビギナーの方からすると憧れのポーズの一つです。今回は逆転ポーズのメリットや注意点、おすすめのポーズをご紹介します。難易度が高いように思われていますが、初心者の方にもできるポーズもあるのでご安心を。

逆転ポーズとは?

ヨガの逆転ポーズと聞くと、ヘッドスタンドなど迫力のあるポーズをイメージする方が多いと思います。

しかし、逆転のポーズはそれ以外にもありますし、難しそうに見える逆転ポーズも段階を踏んで練習をしていけばビギナーでも行うことができます。

ヨガには様々なタイプのポーズがある

ヨガには様々なタイプのポーズがあります。

座位、ツイスト、立位、アームバランス、コアを鍛えるポーズ、後屈、前屈、心身回復、呼吸法、そして逆転ポーズです。

そして、それぞれのタイプのポーズで得られる効果などは異なります。

逆立ちだけじゃない逆転ポーズ

ヨガの逆転のポーズ=逆立ちをイメージする人が多いと思いますが、実は逆立ち以外にも様々な逆転ポーズがあります。

そして、逆立ち以外のポーズでも、逆立ちをした時と同じ効果が得られる逆転ポーズがたくさんあります。

具体的に、頭の位置が腰や脚より低くなるポーズをヨガでは逆転ポーズと呼んでいます。

それらの中には難易度が低いものもあるので、ビギナーの方でも気軽に逆転ポーズを行うことができます。

逆転ポーズは上級者向け?

難易度が高そうに見える逆転ポーズは、上級者向けなのでしょうか?

いいえ、ちがいます。

条件付きですが、逆転ポーズはビギナーの方でもできます。

初心者でもできる

ヨガを始めたばかりの頃は、上級者向けの逆転ポーズに憧れるかもしれませんが、初心者でもできる逆転ポーズはいくつも存在します。

逆転ポーズは頭の位置が腰や脚より低くなるポーズのことなので、ビギナーの方でもできるポーズを行えばヘッドスタンドなどをしなくても、同じように逆転ポーズの効果を得られることができるのです。

もちろん、難易度が高い逆転ポーズでも、経験を積んだ指導者の元で練習を行うこともできます。

セルフプラクティスは中上級者から

しかし、注意してもらいたいのがセルフプラクティスをするときです。

難易度が高い逆転ポーズのセルフプラクティスは、中上級者から行うようにしましょう。

中上級者の方でも、セルフプラクティスをするときは気を抜かず細心の注意を払うことをおすすめします。

万が一ヘッドスタンドなどのポーズを失敗した場合、首を故障する可能性があり、危険を伴います。

逆転ポーズのメリット

逆転ポーズにはさまざまな嬉しいメリットがあります。

血行促進

逆転のポーズには、血行不良を促進する効果があります。

足を頭より高い位置に持ってくると、イレギュラーな体制を取ることになるので、普段あまり使わない筋肉が刺激され、血行がよくなるのです。

また、全身を使うので血液が身体の末端まで行きわたり、冷え性改善などの効果もあります。

さらに、リンパの流れもよくなるのでむくみも解消されるという嬉しい効果もあります。

体幹強化

意外かもしれませんが、逆転のポーズは体幹強化につながります。

簡単そうに見える逆転のポーズでも、身体を安定させるために体幹を使うので、コアが自然と鍛えられてきます。

また、猫背や骨盤の前後傾などの姿勢改善にもつながるので、きれいな姿勢に近づきます。

疲労回復

実はリラックス効果や疲労回復の効果もある逆転ポーズ。

パワフルな逆転ポーズの見た目からは想像できませんが、体幹を使うポーズだからこそ味わえる、ポーズ後の心地よい脱力感が疲労回復につながるのです。

また、慣れてくると最小限のエネルギーでポーズを行うことができるようになるので、ポーズをとっている最中にもリラックスできるようになります。

そして、一時的な効果だけでなく、練習を続けることで疲れにくい体質になっていきます。

ストレス解消

頭を下にすることで、脳にフレッシュな血液や酸素がいきわたり脳が活性化し、ストレス解消にもつながります。

脳が活性化すると脳から出るホルモンのバランスが安定し、日ごろのストレスが和らいだり、リラックス効果を得ることができます。

おすすめの逆転ポーズ

ビギナーの方から上級者まで、おすすめの逆転ポーズをご紹介します。

支えのある肩立ちのポーズ(サーランバ サルヴァーンガーサナ)

支えのある逆転のポーズ

肩立ちのポーズはストレス、便秘、消化機能の改善、むくみ、安眠、脳を休める効果があります。このポーズは初心者におすすめ。

ポイント

  • できれば2枚の固めのブランケットを折りたたみ、ヨガマットの上にセットする
  • ブランケットの上に肩を載、頭を床の上に置いて仰向けになる
  • 両腕は床の上で体側に置き、ヒザを曲げて両足を床に、かかとを坐骨の近くに置く
  • 吐く息と共に両腕で床を押し、両足を床から離して太ももをお腹~胸に引き寄せる
  • 背中を床から離し、両ひざを顔の近くへ
  • 吸う息で曲げた両ヒザを天井へ持ち上げ、両ひざをまっすぐ伸ばし、かかとを天井の方へ押し上げる

コツ

  • ポーズに入ったら吸う息の度に両脚が上に伸びていくイメージをし、背中に添えている両手には頼らないようにする
  • ポーズに入ったあとは、顔に力が入りやすいので喉と舌を柔らかくする
  • 胸骨はあごに近づけ、て目線は自然に胸を見るように意識する
  • ポーズは30秒ほどホールドし、徐々にホールド時間を5分ほど保てるようにしていく
  • ポーズから出るときは、両ひざを胴体の方へヒザを曲げ、背中を丸くしながらゆっくりと床に下りる

注意点

・下痢、頭痛、高血圧、生理中、首に故障がある場合

・首を痛めやすいの、慣れるまでは経験を積んだ指導者の元で練習を行うこと

鋤のポーズ(ハラーサナ)

鋤のポーズ

鋤のポーズは肩と背骨のストレッチ、ストレスと疲労の軽減、背中の痛み、頭痛、安眠、リラックス効果があります。このポーズは初心者~中級者におすすめ。

ポイント

  • 肩立ちのポーズ(サーランバ・サルヴァンガーサナ)のポーズに入る
  • 吐く息と共に脚の付け根を折り曲げて、足指を頭の向こうの床へおろす
  • できるだけ両脚を伸ばした状態を保つ
  • 足指が床についたら、あごを胸骨から離して喉を柔らかくするイメージ
  • 両手で背中を押して天井方向へ上げる

コツ

  • 余裕があれば、両手を背中から話、両腕を脚と反対側の床上へ伸ばす
  • さらに余裕があれば両手を組み、両手と両脚を反対方向へ引っ張るようにイメージする
  • ポーズに入ったら5分ほどホールドする
  • ポーズから出るときは両手で背中を支え、吐く息で肩立ちのポーズに戻り、背中を丸くしながらゆっくりと脚を床に下ろしていく

注意点

  • 下痢、生理中、首に故障がある場合、ぜんそくと高血圧の場合は両脚をボルスターやクッションの上に乗せて行う
  • ヨガ初心者がこのポーズを行うときは、経験を積んだ指導者の元で練習を行うこと

サポートされたヘッドスタンド(サーランバ シールシャーサナ)

サポートされたヘッドスタンド

ヘッドスタンドはストレスや軽いうつの軽減、腕・脚・背骨の強化、肺の強化、腹部組織を整える、安眠、リラックス、脳を休める効果があります。このポーズは中級~上級者向け。

ポイント

  • 床の上にひざまずき、両手を組み前腕を床の上へ、ヒジを肩幅に開く
  • 後頭部を床の上に置き、組んだ手のひらの中にいれてサポートする
  • 吸う息と共に両ひざを床から持ち上げ、吐く息で両足を床から離し持ち上げる
  • 両足をヒジの近くまで歩かせて踵を上げ、太ももの付け根を持ち上げて逆Vの字の形にする
  • 吐く息と共に両足を床から離して持ち上げる
  • コアを使うように意識し、踵を天井へ向けて押し上げる

コツ

  • 慣れるまでは背中を壁に向けてポーズに入る
  • ポーズに入ることに集中しすぎて呼吸を止めがちなので、呼吸を忘れずにする
  • ポーズに入ったら10秒ほどホールドする
  • ポーズから出る時は吐く息と共にゆっくりと脚を下ろす

注意点

  • 背中や首に故障がある場合、頭痛、心臓の異常、高血圧、生理中、低血圧の場合このポーズは行わない
  • このポーズの練習は、経験を積んだ指導者と共に行うこと

壁に脚を上げるポーズ(ヴィパリタカラニ)

壁に脚を上げるポーズは不安、不眠症、軽いうつ、関節炎、消化不良、頭痛・片頭痛、高・低血圧、呼吸器疾患、尿障害、生理痛・PMS・更年期障害に効果が期待されます。このポーズは初心者にもおすすめ。

ポイント

  • 壁の近くにマットにひき仰向けになり、両手は体側に伸ばして手のひらは上に向ける
  • 両ひざを曲げ、吸う息と共に両脚を持ち上げ壁に添える
  • 肩、腰、脚の力を抜いて深い呼吸をくり返す

コツ

  • 両腕は体側にぴったりと添えるのではなく、脇の下に卵が一つ入るくらいのスペースを作ると肩の力を抜きやすくなる
  • 深い呼吸を意識しながら5~10分ほどポーズをキープする
  • ポーズから出る時は、まず両ひざを曲げて両手で抱え、そのままゆっくり右側に倒れ、左手のひらで床を押してゆっくりと起き上がる

注意点

  • 腰に深刻な問題や、緑内障のような深刻な目の病気がある場合、生理中はこのポーズは行わない
  • 少しでも腰に負担がかかりそうな場合、このポーズは行わない方がベター

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逆転ポーズの注意点

たくさんの嬉しいメリットがある逆転ポーズですが、行うには様々な注意が必要です。

食後・入浴前後は行わない

食後や入浴前後には行わないようにしましょう。

食後は胃に血液が集まるので、この時に逆転ポーズを行うと胃の血液が全身に回り、消化不良を起こす恐れがあります。

また、逆転ポーズは心臓への負担が大きいので、入浴前後に行うことも避けた方がいいです。

個人差はありますが、食前後2時間、入浴前後の30分はヨガはは行わないようにします。

生理中は控える

ヨガの流派にもよりますが、生理中は逆転ポーズは控えます。

生理中は経血が逆流してしまう可能性があるので、逆転ポーズは行わない方がいいでしょう。

生理中にヨガを行うのは大丈夫ですが、基本的に生理中は体を休める期間なので、ヨガをするのであればあまりダイナミックな動きをせずに、ゆっくりとした動きやリラックス効果の高いポーズを行うことをおすすめします。

チャレンジすることを恐れない

見た目が難しそうな逆転ポーズは、中上級者しか行えないと思いこんでいるビギナーの方もいると思いますが、ビギナーの方でも経験を積んだ指導者の元で逆転ポーズを練習することは可能です。

大切なのは、チャレンジを恐れないこと。

最初から無理だと決めつけないで、挑戦してみることで、また一歩先に進むことができます。

挑戦してみてやっぱり難しそうだったら、チャレンジをストップすればいいだけです。

誰もが持っている無限の可能性に自らブレーキをかけずに、どんどんチャレンジしていくことが楽しくヨガを続けていける秘訣ではないでしょうか。

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インド滞在中にヨガに出会い、帰国後ヨガインストラクターとして活動。ハタヨガ、リストラティブヨガをメインに指導。カナダでパークヨガなどを開催、現在はオーストラ...

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