産後ヨガはいつまでが効果的?ヨガで産後トラブルを回避せよ!
産後ヨガに体の引き締め効果があるというのは周知の事実ですが、それだけじゃないのです。産後のヨガは美容や健康、そしてその後の体トラブルにも大きく影響を及ぼすものです。今回は出産後にオススメしたいポーズそしてその効果を紹介していきます。
家でも出来る産後ヨガが人気?!
産後ヨガは出産でゆるみ切った体を引き締める効果があると言われ、産後のママ達に強く指示されています。出産後は育児に忙しく、なかなか本格的な運動は出来ません。授乳や家事、オムツ替えなど家を離れることもままならない状態ではないでしょうか?
産後ヨガが多くのママ達に支持を受けるのは、家で手軽にできるからです。育児の合間に出来るヨガ、赤ちゃんと一緒に出来るヨガは産後のママにとって取り組みやすい運動と言えるものです。
1日に1ポーズでもいいのです。5分でもいいのです。育児の合間に気軽にヨガをやってみませんか?今回は産後ヨガのメリットを紹介します。多くのママが経験している体トラブルを回避するポーズも紹介します!
産後ヨガはいつからいつまでが効果的?
産後ヨガと呼ばれているヨガですが、産後とはいつまでのことをさすのでしょう。そして出産によって大きなダメージを受けた母体はいつから運動をすることができるのでしょう?
産後1ヵ月くらいからはじめる
ヨガに限らず、産後の運動は出産後1ヵ月以上あけてから行うようにしましょう。産後は1ヶ月健診というものがあり、母体の回復をチェックします。医師に運動の許可をもらったらヨガを始めるようにします。
産後の1ヶ月はとにかく休むことが何よりも大事です。運動というよりも軽いストレッチなどを行う程度にしておきましょう。産後すぐの運動には産婦人科などで教えてくれる産褥体操というものがあります。つま先を伸ばしたり、体を伸ばしたりする軽い動きのものです。産後すぐに体を動かしたいと感じたら産褥体操を行うようにしましょう。
帝王切開の出産は産後2か月以降
帝王切開で出産したママは産後2ヶ月くらい経過してからヨガを始めましょう。経膣分娩よりもと悪露が長引いたり、傷口が膿んでしまうというトラブルもあるようです。産後はすぐにでもダイエットをしたい!という気持ちもわかりますが、産褥期はしっかり栄養を摂りゆっくり休むようにしましょう。
産後6ケ月位までが効果的
産後の骨盤ケアは産後6ヶ月までが最も効果的と言われます。それは骨盤が閉じていく過程に関係しています。出産時には骨盤が大きく開きグラグラになります。その開いた骨盤は4ヶ月ほどで閉じていきます。そして産後6ヶ月には固まると言われています。
そしてもう1つの理由は脂肪の質です。産後についている脂肪は「流動性脂肪」と呼ばれ軟らかくとりやすい脂肪です。しかしこの脂肪を放っておくと、産後6ヶ月ほどで固く落としにくい脂肪になると言われているのです。
産後の骨盤の様子
骨盤の構造を詳しく見てみると、左右に1つずつの腸骨(ちょうこつ)があり、背骨の下部に三角の仙骨(せんこつ)があります。また前面で恥骨(ちこつ)と結合する形となっています。
これらの骨の結合部分は靭帯(じんたい)によってつながっていますが、妊娠中は骨盤内の子宮が大きくなることで骨盤が広がり靭帯が伸びた状態になっています。また出産時は腸骨の下部が大きく開き、仙骨が斜め後ろに広がって赤ちゃんが生まれてくるため、さらに骨盤は広がってしまうのです。
このため骨盤は歪みやすく、グラグラと不安定な状態になってしまいます。産後ヨガはこの骨盤を整える事も出来る運動です。
産後ヨガの主な5つのメリット
- 骨盤が整い内蔵が正しい位置へ戻る
- 血行が良くなり基礎代謝も上がる
- スタイルが良くなる
- 骨盤底筋群が引き締まる
- 自立神経が整う
1.内蔵が正しい位置へ戻る
出産、そして授乳や育児を経験していくとママはどうしても姿勢が悪くなっていきます。出産で開いた骨盤に赤ちゃんを抱っこしたり授乳をしたりすることで猫背になりがちなのです。すると、骨盤は後傾し、内臓が下へ下がってきます。
ポッコリお腹を作り出し、正しい位置にない内臓は機能も低下してしまうもの。産後のヨガでしっかり骨盤を引締め筋肉を維持することで、姿勢を維持し内臓が正しい位置へと導かれます。
このことはポッコリお腹を改善するだけではなく、 内臓機能の正常化によって栄養が体に行きわたり身体の老化や肌荒れなどを防ぐことにもつながるのです。
2.血行が良くなり基礎代謝も上がる
ヨガは呼吸をたくさん取り入れた有酸素運動です。凝り固まった筋肉をほぐしてくれます。またリラックス神経の副交感神経を活発化させることで、血管が拡張し血流が良くなります。
老廃物は排出しやすくなり、体は多くの酸素を取り込むことによって燃えやすい体質へと変化していくのです。
3.スタイルが良くなる
産後のヨガで骨盤が整い閉まってくると、腰回りのサイズは必然的にダウンしてきます。また後傾した状態の骨盤が正しい位置へ戻ることでお尻がキュッと引き締まってきます。
さらに血行が良くなり老廃物が流れるとセルライトの原因であるむくみも改善され、すっきりとした体形になれるのです。
日本人に多い「後傾した骨盤」
骨盤が後傾した状態というのはお尻が垂れやすくなるのです。実は多くの日本人がこの「後傾した骨盤」を持っており、ゆえに平らで広がったお尻になっています。これに比べ欧米人は前傾気味の骨盤を持っていると言われ、お尻がキュッと上向きになるのです。ヒップアップのカギは骨盤にあったのです。
4.骨盤底筋群が引き締まる
骨盤底筋群はその名の通り、骨盤の底にある筋肉の総称です。出産後はこの筋肉が伸びきった状態になっています。
骨盤底筋群は尿道、肛門、膣の引き締めにも大きく関与している筋肉です。この筋肉が緩んでいることで産後に尿漏れで悩むママが多くいるのです。産後ヨガではこの骨盤底筋をもとの状態に引き締めていくので、産後の尿漏れ対策として大きな成果をあげてくれるのです。
骨盤底筋群がとくに緩んでいる可能性のある人
- 出産後、尿もれを感じている
- 分娩時に5時間以上かかっている
- 子宮の回復(収縮)が遅い
- 赤ちゃんが大きかった
5.自立神経が整う
産後うつというものがあるように、産後は大きくホルモンバランスが崩れ自立神経がダメージを受けやすい時期です。一般的に左の骨盤が交感神経に影響を与え、右の骨盤が副交感神経へ影響を与えると言われています。この骨盤を整えることで産後うつの回避につながっていきます。
また自律神経は背骨(脊髄)を通っています。ヨガによって背骨を柔軟に使用し歪みを取り除いていくことで体の疲れを取り除きながら自律神経を整えていくのです。
産後にオススメしたい3つのヨガポーズ
サルヴァンガーサナ
サルヴァンガーサナは肩立ちのポーズと呼ばれます。逆転のポーズを行うことで内臓の重力を開放し内臓機能を回復していきます。またストレスの改善にもいいと言われているポーズなので、育児ストレスを感じたときは是非行ってほしいポーズです。
- 仰向けに寝て呼吸を整えます
- 息を吸うタイミングで両足を天井へ引っ張り上げます
- 息を吐きながら両手を腰へ添え、腰を天井へ引き上げます
- つま先が頭よりも後ろへ倒れないように注意をしながら5呼吸キープします
- 息を吐きながらゆっくりと上体を戻していきます
ガルーダアサナ
ガルーダアサナはイーグルのポーズと呼ばれるもので、体の引き締めにとてもいいポースです。骨盤をしっかりと絞めたいとき、そしてふくらはぎや二の腕のシェイプアップにも期待が持てるポーズです。
- 真っすぐに立って呼吸を整えます
- 右足を左足に絡めるようにして立ちます
- 左腕を下にし両腕をクロスさせて、息を吸いながら上に上げていきます
- 息を吐きながら肩をおろしていきます
- そのままの状態でお尻を後ろに突き出すように上体を前に倒していき5呼吸キープします
- 息を吐きながら体を開放し、反対サイドも行います。
アンジャネーヤアサナ
アンジャネーヤアサナは三日月のポーズと呼ばれています。脚の鼠径部(そけいぶ)をしっかりのばしていくことで妊娠中に滞ったリンパの流れを改善していきます。足のむくみの改善になります。また背骨を伸ばしていくことで自律神経を整えてくれます。
- 四つん這いの姿勢をとります
- 息を吸いながら右足を両手の間へ持ってきます
- 左脚の甲を床に押すようにしながら、息を吸い両手を天井に持ち上げ上体を起こします
- 背骨を斜め上に引っ張り上げるように上体を伸ばしていきます
- 5呼吸キープしたら息を吐きながら四つん這いに戻ります
- 反対サイドも同様に行います
産後ヨガの注意点
産後は体調が崩れやすい時期です。頑張り過ぎず体調のいい日にヨガを行いましょう。産後1ヶ月が産後ヨガを始める目安ですが、最初は腹圧がかかり過ぎないように軽い動きをおこないます。
また悪露が続いている場合はヨガを行わず子宮の回復を優先させる様にしましょう。産後ヨガをはじめて1ヶ月ほどは、ストレッチを中心にポーズをとり徐々に引締めの強い動きを取り入れるようにしていきます。
産後ヨガで綺麗なママになろう
産後にヨガをとりいれて無理なく綺麗に体を整えていきましょう。産後はストレスによる過食が増える傾向にあります。できるだけ深い呼吸を心がけ神経をリラックスさせることで過食も防げるのではないでしょうか?育児中だからと諦めず、1日に5分でもいいので、綺麗と健康のためにヨガを楽しんでみませんか?