ハタヨガとは?意味や歴史、特徴を理解しよう!

ハタヨガ
ヨガ

ハタヨガとは何か知っていますか?名前はよく聞きますが、どんなポーズをとるのがハタヨガなの?ハタってどんな意味なの?と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。近年ヨガ教室では色々なオリジナルプログラムが作られ、ヨガの種類もあふれています。そんな中、源流中の源流ともいえる「ヨガ」それがハタヨガなのです。

ハタヨガとは

ハタヨガとは簡単に言うと体を動かしアサナ(ポーズ)をとるヨガです。ゆえにヨガと言って思いつくものはおそらく「ハタヨガ」ではないでしょうか?一般的にヨガクラスで行っているアサナ(ポーズ)をとっていくものはすべてハタヨガの一種と言えます。

HAは太陽、TAは月というように訳されますが、陰と陽、吸う息と吐く息の組み合わせをうまく整えていくものです。現代多くの流派があるヨガの世界ですが、そこに共通したものは「ハタヨガ」の基本的概念なのです。それは一体どういうものなのか、もう少しハタの意味を掘り下げて詳しく見ていきましょう。

ハタヨーガの意味

「ハタ」とは何でしょう?実はこの2単語に意味があります。

HAの意味する主なもの

  • 太陽
  • 吸う息
  • 男性
  • 凝縮

TAの意味する主なもの

  • 吐く息
  • 女性
  • 拡大

ハタヨガの歴史

ハタヨガが生まれた背景にはインドの身分制度があり、それまでのヨガは身分の高い人達(バラモンと呼ばれる司祭階級、クシャトリヤと呼ばれる王族や貴族)が過酷な環境の中ですべてをささげて坐禅を組む精神的要素の強いものでした。またバラモン階級の哲学的な教えの強いもので宗教哲学と言っても過言ではなかったのです。

しかしこの方法は万人には広まらず、もっと簡単に自己コントロール(自分に意識を向ける)ことができるような方法として体を動かしポーズをとる!というハタヨガがインドの密教徒達によって生まれたと言われています。

しかしハタヨガの起源は諸説あり紀元後10世紀から13世紀ころゴーラクシャ・ナータによってはじめられたとも言われています。

ハタヨガの特徴

ハタヨガは今や多くの種類に枝分れしていますが、基本的なことは一緒です。心と身体をしっかりと結びつけて、吸う息と吐く息の調和を求めていきます。八支則に基づきて行っていくというのも共通しています。

ハタヨガには著者不明で約1700年前後あたりに書かれたとされる「ゲーランダ・サンヒター」そして14世紀にスヴァトマラーマが書かれた最古のハタヨガの文献「ハタ・ヨガ・プラディーピカ」そして18世紀に作られた著者不明の「シヴァ・サンヒター」という3つの教本があります。ヨガを深く行っていくとこれらの書物を読む機会もあるかもしれません。

ヨガの八支則

  1. ヤマ(行ってはいけない事)
  2. ニヤマ(行うべき事)
  3. アーサナ(元は瞑想を深めるための坐法、今はポーズ)
  4. プラーナヤーマ(呼吸法)
  5. プラティヤハーラ(感覚を制御する)
  6. ダーラナ(集中)
  7. ディアナ(瞑想)
  8. サマディ(悟り)

実はこの八支則は上から順にクリアして次の段階に進むというものでした。しかし私たちがこの教えを忠実にクリアしていくことは難解を極め、第三段階のアーサナを行うまで何十年もかかってしまいます。

近年はヨガと言ったらアーサナという考えが定着していますヨガをはじめてから日常生活の行ってはいけない事(非暴力、正直、不盗、貞操、不貪)や行うべき事(清浄、知足、苦行、読誦、神への献身)を意識する人が多いようです。

続いて、ハタヨガから派生したヨガのご紹介です。

ハタヨガから発生した主な7つのヨガスタイル

ハタヨガはアーサナ(ポーズ)をとって体を動かすヨガの源です。言い変えれば現代のほとんどのヨガがハタヨガです。

ハタヨガから発生したヨガの主流はアイアンガーヨガ やアシュタンガヨガ 、アヌサラヨガ、シヴァナンダヨガ、イシュタヨガ 、そしてホットヨガの元祖と言われるビグラムヨガ や近年アメリカ発祥のパワーヨガなどがあります。

さらに色々なインストラクターが自己流のヨガクラスを作り出し今やその種類は数えきれないほどになっていますが、今回はその中でも主な7つのヨガを紹介します。

アイアンガーヨガ

アイアンガーヨガは、インドのB.K.S.アイアンガー氏が作り出したヨガスタイルです。特徴的なのは色々な道具(ヨガブロックやボルスター、ヨガベルトなど)を使用し、体に負担のないポーズを長めにキープしていくことです。体に負担が少ないために肌広い層で行えるヨガとなっています。

アシュタンガヨガ

アシュタンガヨガの歴史は古く、もとはサーンキヤ学派の基本理論でした。それをパタンジャリが有名なヨガの経典「ヨーガ・スートラ」としてまとめ、実践されたものがアシュタンガヨガです。

現代私たちが行っているアシュタンガヨガは、インドのパタビジョイス師がアレンジしたスタイルです。元は若い男子向けのヨガだったとも言われており運動量もおおいヨガです。またパワーヨガの元になったヨガです。

アヌサラヨガ

アヌサラヨガは「神聖な流れに乗る」と意味を持ち。そのベースは解剖学と生理学です。体に負担をかけずに自分に眠っている潜在能力を引き出すヨガです。アイアンガーヨガを元に、アメリカのジョン・フレンド氏が交換したヨガスタイルで、負担なく強いポーズをとることができるので初心者や、高齢者でも行えるヨガです。

シヴァナンダヨガ

シバナンダヨガは、元医師のスワミ・シバナンダ氏の愛弟子スワミ・ビシヌ・デバナンダが考案したヨガです。シバナンダヨガの特徴は、2種の呼吸法(プラナヤマ)、太陽礼拝、そして12ポーズと瞑想で構成されているという点です。心と体のバランスをとりやすいヨガなので幅広い層の方に向いていますが、特にストレスを抱えている人には是非オススメしたいヨガスタイルです。

イシュタヨガ

イシュタヨガは個人という意味を持つアラン・フィンガーが作り出したヨガです。一人一人を大切に考え個人にあったアーサナ(ポーズ)や呼吸法を行います。個性を重視し大切にするヨガとも言えるでしょう。呼吸とアーサナ、そして瞑想を大切にしていきます。特徴は自分のペースでゆっくり無理なく行えるという点です。

ビグラムヨガ

ビクラムヨガはビクラム・チョードリーがハタヨガをアレンジして作り出したヨガで温度約40℃以上、湿度40%の室内で26種類のアーサナ(ポーズ)をとるヨガです。このヨガがホットヨガの元祖と言われています。今ではホットヨガはとても身近なもので多くの女性がダイエット目的で行っていますが、まさにこのビクラムヨガが元祖ホットヨガというわけです。健康上の問題がある人には向かずまた妊婦さんが行う際は十分な注意が必要であると言われています。

パワーヨガ

パワーヨガとは、近代アメリカで生まれたヨガでアシュタンガヨガとアイアンガーヨガをベースにしたエクササイズ要素の強いヨガスタイルです。筋肉トレーニングを重視し、呼吸と動きの連動性を大切にしています。ヨガのスピリチュアル的要素はなく、誰でも気軽に始めることができます。

その他のヨガ

ヨガにはハタヨガ以外にも数種類のヨガがあります。

  • ラージャヨガ(瞑想を行うヨガスタイル)
  • カルマヨガ(奉仕活動を行うヨガスタイル)
  • バクティヨガ(祈りをささげるヨガスタイル)
  • ニヤーナヨガ(哲学、学ぶヨガスタイル)

ハタヨガが向いている人

ハタヨガは色々なジャンルのものを含みますが、基本は体を動かす事、そしてアーサナ(ポーズ)と呼吸をつなげていくものです。運動量の多い少ないはありますが、基本的に体を動かすのが好きな人に向いています。

ハタヨガ おすすめ書籍

ハタヨガの真髄 600の写真による実技事典

300週のアサナプログラムを収録。600点の写真を用いてアサナ、プラーナーヤーマを詳しく解説しています。また、3つのコース(初心者・中級者・上級者)に分かれており、自分のレベルに合わせた練習を行うことができます。
著者のB・K・S・アイアンガー師が創始したアイアンガーヨガは、世界各国でのべ数百万人が実践に励んでいると言われています。

まとめ

ハタヨガとは現代ヨガのほとんどの源です。動くヨガを総称してハタヨガと言えるのです。たくさんの流派がある現代ですが、大元は一緒なのです。目的地が(サマディ、悟り)であることも共通点です。ハタヨガを通して心と体をコントロールし気持ちのいい毎日を送っていきましょう。

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