初心者必見!おさえておきたいヨガの7つの呼吸法の基礎

ヨガ

ヨガを実践するにあたってまずやることは呼吸法を「知る」ということです。普段無意識でおこなっている呼吸ですが、意識しておこなってみると意外にも難しいということに気が付くのではないでしょうか。呼吸をコントロールできるようにヨギーやヨギーニは日々実践をおこなっています。まずは呼吸法を「知る」所からはじめましょう。

ヨガと呼吸の関係

ヨガを語るにあたって欠かせないのが「呼吸法」です。基本的にヨガは鼻を使った鼻呼吸をおこないます。左右の鼻の通り具合からエネルギーのよどみを知るとも言われ、呼吸によって自分の内面を見つめることも出来るのです。

呼吸は血液やリンパの流れに大きく関係していてヨガの効果をあげたいのなら尚更大切にしていかなければなりません。

またヨガの瞑想において、心の暴走を制御するために呼吸をカウントし意識を自分の中に向けていくという方法もあります。これによって深い瞑想へと近づいていくのです。

プラーナーヤーマと言われる

ヨガでは呼吸をコントロールしていき心と体のバランスをとっていきます。呼吸をコントロールするということは簡単そうでいて、意外と難しいものです。
ヨガの世界では呼吸の方法を「プラーナヤーマ」とよんでとても大切にしています。

「プラーナ」=パワー、生命的エネルギー、呼吸、気息
「アーヤーマ」=制御、制止

これらの意味が合わさって「プラーナヤーマ」と呼ばれています。日常的におこなっている生命維持の呼吸とは少々意味合いが違っているようで、カラダの中のエネルギー(宇宙エネルギーと同一)を調節していくものと考えられています。

クンバク(息を止める)でエネルギーを巡らせる

ヨガの呼吸は「プラーナ(エネルギー)」を取り入れ体の中を巡らせて体を活性化させます。

息を吸う=プラク、満たしていく
息を吐く=クチャク、空にしていく
息を止める=クンバク、止める

ヨガでは息を止める方法も用いていきます。
クンバカすることで吸い込んだエネルギーを体の中にとどめて、全身を巡らせていきます。

意識できる内臓ゆえに調気ができる

私達の内臓器官は自分で意識して動かすことは出来ません。意識とは別に自立している神経(自律神経)が動かしているのです。ゆえに自律神経が乱れると内臓に不具合が生じてしまうのです。

しかし肺はある程度自分の意識下でコントロールが可能です。呼吸は自律神経に大きく働きかけることができるので、調気することで自律神経のバランスを整える(自己コントロール)することができるのです。

心と呼吸の関係

ヨガの呼吸は私たちの「心」に大きく働きかけます。呼吸とは吐く息と吸う息から成り立っていますが、これは副交感神経や交感神経とつながっていると言われています。

吐く息=副交感神経(リラックス時に活性化)
吸う息=交換神経(緊張や高ぶり時に活性化)

私たちがリラックスしのんびりとした時間を過ごしている時や幸せを感じているときは、無意識に腹式呼吸を使い、多くの息を吐いています。またバタバタとした時間を過ごし、怒っていたり泣いているときは胸式呼吸を使い呼吸が浅く、多くの息を吸っている状態です。この呼吸をコントロールすることで心の作用をコントロールできるようになるのです。

怒っているときに息を吐いてみる

「呼吸で心をコントロールする」と言われてもピンと来ない!という人は、自分に心に怒りを感じたときにゆっくり息を吐きだすように呼吸をしてみてください。
自分の心が穏やかになっていくのを感じるのではないでしょうか?

現代の物のあふれた時代に生きている私たちは、多くのストレスを受けています。多くの人が交感神経が必要以上に刺激され、呼吸が浅くなっていると言われています。
心がバタバタとざわついているのを感じたときは、大きく息を吐きだしましょう。

とくに睡眠前に呼吸を長く吐き出すことでストレスから解放され睡眠も深く質のいいものをとることができます。

頭をクリアにしたい時は

カパラバディの呼吸法(下記で詳しく説明)のように意識して、呼吸を早めることで心を元気に活性化するということも可能です。
どうしても心が沈んでいる時はカパラバディの呼吸法などを使用して呼吸を早めることで心も頭の中もクリアになっていくでしょう。

  • 交感神経、副交感神経のバランスを整える
  • 緊張感をなくす
  • ストレスから解放される
  • 心を活性化(元気)にする
  • 質のいい睡眠がとれるようになる

体と呼吸の関係

呼吸は体へも大きな影響を与えるものです。ヨガは意識下のもと呼吸をおこなうので横隔膜や肺周辺の筋肉などを強化し心肺機能を向上させてくれます。このことは免疫力の向上にもつながってくると言われています。

また呼吸によって多くの酸素を体内へ取り込むことができるので摂取した栄養素を細胞の隅々にまで届けることができます。細胞の代謝(新旧のいれかわり)が進み体を健康に若々しく保てるようになるのです。

呼吸によって血流が良くなり体中の老廃物を収集し排出しやすい状態になります、いわゆるデトックス効果が上がるという状態です。老廃物が排出されることで疲労物質も減り疲労回復につながっていくのです。

  • 心肺機能が向上する
  • 免疫力が上がる
  • 新陳代謝が良くなる
  • デトックス効果をえられを得られる
  • 疲労回復

ヨガの経典でも呼吸は大切!

ヨガの経典「ヨガスートラ」ではプラーナヤーマについて述べられています。プラーナヤーマは精神面に大きく働きかけ、心を惑わす煩悩を消し去り、色々な思いに耐えれれるようにしてくれるものなのです。

  • プラーナヤーマを行うことで心の輝きを覆い隠す煩悩を消すことができる
  • 心が様々な凝念に耐えられるようになる

ヨガスートラ

ヨガスートラは8階梯のヨーガについて2〜4世紀頃にパタンジャリによって編纂された経典です。

  1. ヤマ:禁戒
  2. ニヤマ:勧戒
  3. アーサナ:座法
  4. プラーナーヤーマ:調息
  5. プラティヤーハーラ:制感
  6. ダーラナー:凝念
  7. ディヤーナ:静慮、禅
  8. サマーディ:三昧

ヨガの7つの呼吸法解説

ヨガの7つの呼吸法解説

腹式呼吸

息を吸う時にお腹を膨らませ、吐く時にへこませる基礎的な呼吸法です。

息を吸った時は肺の下の横隔膜が下へ押し広げられ、お腹が大きく膨らみます。また息を吐く時は横隔膜が上へ押し広げられ、お腹が凹んでいきます。副交感神経を活発にしていく呼吸なのでリラックスやストレス軽減が期待できます。

練習方法

  1. 慣れるまでは仰向けの体勢になるといいでしょう
  2. お腹に触れます
  3. へそのあたりに意識を向けて鼻から3秒吸い込みます
  4. 同時にお腹が膨れていくのを感じます
  5. お腹から空気をおして鼻から6秒吐き出します
  6. 同時にお腹がへこんでいきます

胸式呼吸

肺の上部の方に呼吸を入れ鎖骨が上がるようなイメージで膨らみ、吐いて戻るという呼吸法です。

ヨガをおこなう前などにカラダを活性化するためにおこなったりする呼吸です。交感神経を活発にしていく呼吸でスッキリとした気分になりたい時はオススメです。明るい気分になる呼吸です。

練習方法

  1. 慣れるまでは仰向けの体勢になるといいでしょう
  2. 胸部の上の方、鎖骨を押し上げるようなイメージで鼻から息を吸います
  3. 吸ったときお腹は凹ませておきましょう
  4. 吸い切ったら自然に吐いていきます
  5. 吐くときもお腹は凹ませておきましょう

完全呼吸

完全呼吸法は、腹式呼吸と胸式呼吸、クンバク(息を止める)を組み合わせた大きな呼吸です。

呼吸を意識しやすいもので酸素をたくさん体に取り込むことができます。お腹の下の方から酸素をどんどん入れていき、お腹の下の方からしゅーと体から空気を抜くように吐いていきます。

練習方法

  1. 息をすべて吐ききります
  2. 鼻から息を吸い腹式呼吸→胸式呼吸のイメージを持ちます
  3. 吸いきるときはお腹は少し凹んだ状態になっています
  4. クンバカ(3秒息を止めます)
  5. ゆっくり息を吐いて、胸や鎖骨の位置を戻します

ウジャイ呼吸

「勝利の呼吸」と呼ばれるヨガで多く使用される力強い呼吸です。

胸式呼吸の一つで気の流れをコントロールしていく呼吸法です。アシュタンガヨガではこの呼吸を使用しています。吐く呼吸に特徴があり、喉や鼻の奥を細くするように呼吸で圧をかけていきます。

練習方法

  1. 常にお腹はへこませ凹ませておきます
  2. 口をとじたまま、軽くした先を巻きます
  3. 「スー」という音がかすかに聞こえるように鼻から空気を吸い込み喉や鼻の奥を細くします
  4. 吐くときは一定の長さで細く吐いていき、お腹に圧をかけていきます

シータリー呼吸

シーターリー呼吸は体温を下げていく呼吸法です。

眠気の防止やリラックス効果があると言われ、血液の浄化、消化力の向上のために夏場などに取り入れるスタジオも多いようです。

練習方法

  1. 息を吐ききります
  2. 舌先を丸めて口から出します
  3. すいあげ吸い上げるように「スー」と音を立てて息を吸います
  4. 口を閉じて鼻から暖かな空気を吐きます

火の呼吸

クンダリニー・ヨーガの呼吸法がベースになっていて1分間に200回の呼吸を入れていく強い呼吸法です。

短時間でエネルギーを取り込みます。格闘家などがトレーニングとして行っていることでも有名な呼吸です。自然治癒力、体力増強、集中力アップなど多くのエネルギーや一気に上がるので、初心者の人は必ず指導者のもとで行うようにしましょう。

練習方法

  1. 鼻から息を吐きお腹をひっこめます
  2. 吸う時は自然に空気を取り込みます
  3. 吐くことに意識を向け1分間に200回ほど呼吸をおこないます
  4. 慣れるまでは回数を減らし、徐々に増やしていきます

カパラバティ

カパラバティは「光る頭蓋骨」という意味を持つ呼吸です。

この呼吸はとても高度な呼吸方法で危険性も高いものです。
ヨガの基本の呼吸法をマスターしたうえで信頼できる指導者のもと練習をおこないましょう。
その名が示すように頭の中がスッキリとしていきます。肺の中や頭部が換気されるとも言われています。

練習方法

  1. 姿勢を正して座ります
  2. お腹に瞬時に圧をかけ、鼻から空気を抜いていきます
  3. 口を閉じお腹の圧を解放して、鼻から強く息を吐きだします
  4. 自然に息を吸います
  5. 一定のリズムを保ちつつ1分間に120回ほどおこないます

※練習方法は参考です。初心者は1人では練習しないようにしましょう

呼吸法を知り実践することでヨガの効果を最大限に引き出そう

呼吸法を知り実践することでヨガの効果を最大限に引き出そう

ヨガを始めたばかりの頃は、ポーズをとることで精一杯で呼吸はいつの間にか止まっていた。ということもあるでしょう。少しづつでいいので呼吸にも意識を向けられるようになってきたら、ヨガがさらに面白くなっていくでしょう。ヨガの効果を最大限引き出すには「呼吸」というキーワードを無視することはできません。

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