肩こりに効果的!肩甲骨を動かすおすすめヨガポーズ5選
普段の生活で肩甲骨を意識することはどのくらいありますか?実は肩甲骨を意識しながらヨガをしたり日常生活を送るだけで、かなり嬉しい効果を得られます。今回は肩甲骨を動かすことで得られる効果と、肩甲骨に特化したヨガポーズを5つご紹介します。
肩甲骨とは?
そもそも肩甲骨とは、肩の下、背中の中でも上部に位置していて手のひらくらいある大きな骨で逆三角形に似た形をしています。
肩甲骨の最大の役割は、腕を動かすことです。
肩甲骨は鎖骨と接していて、しかも背中の肋骨に乗っているだけなので、とても不安定な状態で2,3キロある腕を支え、腕を動かしています。
肩を動かすとき連動しているのは、上腕骨を肩甲骨、肩甲骨と鎖骨、鎖骨と胸骨です。このように、肩甲骨はさまざまな動作に関わっていて、とても可動域が広いです。
なので、動きが悪くなると肩こりを始めとし、さまざまな悪影響を身体に及ぼします。
肩甲骨を動かすとどうなる?
普段の生活で肩甲骨をどのくらい意識していますか?
今まで意識したことは全くなかったという方は多いのではないでしょうか。
実は肩甲骨を意識して動かすと、健康や美容にも嬉しい効果がたくさんあります。
肩こり解消になる
わたしたちの身体は、体重の約13%もある頭部をクビと肩・肩甲骨周りで支えています。
そして、体重の約10%を占める腕や手の重さも支えているのが、肩甲骨とその周辺の筋肉です。
しかし、普段のPCやスマホ漬けの生活で肩甲骨を動かすことが少ないと、肩甲骨周辺の筋肉は凝り固まってしまいます。すると、血流も滞るので肩こりや頭痛などを引き起こしやすくなります。
そこで、肩甲骨を動かすことで肩回りの筋肉がほぐれ、血流が改善されるので肩こりの解消につながるのです。
二の腕、デコルテがスッキリする
二の腕は運動しても痩せずらいですよね。
二の腕の筋肉は肩甲骨とつながっているので、肩甲骨から腕を動かすと痩せやすく・引き締まりやすくなります。
肩甲骨を動かさないと二の腕の筋肉の動きも悪くなりがちです。
肩甲骨から腕全体を動かす意識をすると、二の腕周辺の血液やリンパのながっれもよくなります。
また、肩甲骨が正しい位置にあるとデコルテ周りもスッキリします。
肩甲骨は鎖骨と肩鎖関節でつながっているので、肩甲骨の位置によって鎖骨の印象が大きく違ってくるというわけです。
バストアップ、顔もリフトアップする
猫背で姿勢が悪かったり、高身長や胸を隠そうとして肩を内側に入れていると、左右の肩甲骨が離れてしまっている状態になっています。
そうなると、体の全面、胸回りの筋肉が縮んでしまうので、胸を開くことが難しくなります。肩甲骨を動かすことで胸が開いていき、姿勢改善につながるのでバストアップ効果も期待できます。
また、肩甲骨が開くと胸部の骨格が下に下がり、顔のアゴあたりの広頚筋も下に引っ張られ、顔のタルミが目立つようになってきます。
肩甲骨を動かし正しい位置にすることで顔のリフトアップにもつながります。
姿勢改善につながる
肩甲骨を動かすと肩回りや背中の筋肉がほぐれるため、丸まった背中が自然とシャキッと伸びるようになります。
肩甲骨を動かすストレッチなどを行うようになると、肩甲骨周辺の筋肉がほぐれる感覚を身体が記憶するので、少しでも凝り固まってきたら違和感を感じるようになります。
そして、少しでも違和感を感じたら、自然と肩周りを動かしたりするようなクセがついていき、姿勢改善につながります。
また、猫背などの姿勢が原因の腰痛にも効果的です。
肩甲骨 おすすめヨガポーズ5選
肩甲骨を動かすのにおすすめのポーズ5選をご紹介します。
手を上にあげるポーズ( ウールドゥヴァハスターサナ)
太陽礼拝のシークエンスにもある、手を上にあげるポーズ。
肩と脇の下のストレッチ、腹部のストレッチ、消化機能の改善の他に、不安解消など気分がすっきりする効果もあります。
ポイント
・山のポーズ(タダーサナ)で立ち、両手を体側へ
・手のひらを外に向け、吸う息で両腕を外側から開き天井の方へあげる
・腕を上にあげた状態で手のひらを合わせる
・目線は天井に向ける
・手のひらを外側に向け、吐く息でゆっくりを両手を体側に戻す
コツ
・両腕を上にあげると肩に力が入りやすいのでリラックスする
・両腕を上にあげた状態だと反り腰になりやすいので、オヘソを背骨に近づける意識をして腰を反りすぎないようにする
注意点
・肩が硬い人は無理して両腕を上にあげなくてもOK
・首に痛みがある人は両腕を上げた状態で目線を天井に向けなくてもOK
・腕を上にあげる時腕だけを動かすのではなく、腕の付け根=肩甲骨から動かすようにイメージする
・呼吸に合わせて、5~10セット行う
・座った状態でもできるので、仕事の休憩時間に行うのもおススメ
ワシのポーズ(ガルーダーサナ)
立位のワシのポーズ。
肩回りのストレッチの他に、足首とふくらはぎの強化、集中力UP、バランス感覚UP、腰痛緩和や坐骨神経痛にも効果的。
ポイント
・山のポーズ(タダーサナ)で立ち、軽くヒザを曲げて左足を持ち上げ、右足に重心をもっていく
・左足を右足に重ね、左足の指を床の方へ向けて右足でバランスをとる
・両腕を広げて肩の高さでまっすぐ伸ばす
・胴体の前で右腕が上になるように腕をクロスさせる
・右ヒジを左ヒジに密着させ、前腕が床に対して直角になるようにして両手を甲を合わせる
コツ
・バランスが取りにくい場合は、上半身のポーズを先にとってから、下半身のポーズに入る
・腕をクロスさせるときに腕だけを動かすのではなく、腕の付け根=肩甲骨から動かすイメージをする
・ポーズに入ったら吸う息で両腕が上に引っ張られ、吐く息で両ひざを少しづつ曲げて、ポーズを深めていく
・ポーズに入っていると、骨盤が左右に周りやすいので、できるだけ骨盤を正面に向けるように意識する
注意点
・ヒザに故障がある場合フルポーズは行わずに、座った状態で上半身のみ行う
・集中すると肩に力が入りやすいので、意識して肩回りをリラックスするようにする
・深い呼吸を意識しながら15~30秒ホールドする
・ポーズから出る時は、ゆっくりと巻いていた両脚と両腕を外し、山のポーズへと戻る
・反対側も同じ時間ホールドする
・このポーズに慣れている人は、フルポーズの状態から吐く息で上体を前に傾けてさらにポーズを深めてもOK
牛の顔のポーズ(ゴムカーサナ)
座位の牛の顔のポーズ。
肩、脇の下と上腕三頭筋、胸のストレッチの他に、足首、股関節のストレッチにも効果的。
ポイント
・杖のポーズ(ダンダーサナ)で座り、ヒザを曲げて両足を床の上におく
・左足を右ひざの下に入れ、右腰の外側へ
・右脚を左脚の上でクロスさせ、右ひざを左ひざの上に重ね、右の足は左腰の外側へ
・吸う息で右腕をまっすぐ上に伸ばし、手のひらを後ろに向ける
・右腕ひじを曲げ、手のひらを背中につける
・左手の手のひらを後ろに向けたまま背中にまわし、左手ひじを曲げて、指先が上を向くように手の甲を肩甲骨と肩甲骨の間に置く
・右手と左手の指先をからめ、ポーズを深めていく
コツ
・足を交差させて座るときは、両坐骨に均等に座るように意識する
・背中で両手の指先を絡めるのが難しい場合、ベルトやタオルを持ってポーズを深める
・股関節を痛めていたり、足を交差させて座るのが難しい場合は杖のポーズ(ダンダーサナ)か正座、イスに座った状態で上半身のみ行う
注意点
・首と肩に故障がある場合、このポーズは行わない
・ポーズに入って集中すると反り腰気味になりやすいので、常にオヘソを背骨に近づけるように意識する
・ポーズに入ったとき、アゴを引きすぎないよう首を長く保つようにする
・ポーズは30秒~1分ほどホールドする
・ポーズから出る時は、腕と脚をゆっくりとほどいていく
・反対側も同じ時間ホールドする
賢者のポーズ(バーラドヴァージャーサナ I)
座位の賢者のポーズ。
背中、肩のストレッチの他に、腹部組織のマッサージ、腰痛や坐骨神経痛の緩和、ストレス緩和の促進に効果的。
ポイント
・両脚をまっすぐ前に伸ばして床の上に座る
・右のお尻に体重をのせて両ひざを曲げで両脚を左へ
・両脚は左腰の外側に、左足首を右の土踏まずにのせる
・吸う息で胸を上に引き上げ、吐く息で胴体を右へツイストしていく
・左手を右ひざの下へ入れ、右手は右腰の脇へ
・左肩を少し後ろに向け、肩甲骨を背中に押すようにして胸をさらに右へツイストする
コツ
・ポーズに入ったら頭の位置は、頭を右へ向けて胴体をねじり続けるか、胴体をねじるのと反対側に左に向けて左肩の向こうを見る
・力任せでツイストをするのではなく、吸う息の度に指で床を押しながら胸骨を少し引き上げ、吐く息の度にさらにツイストを深めていく
・ねじっている方のお尻に体が傾いている場合、折りたたんだブランケットやクッションの上にお尻を乗せて行い、意識的に両坐骨を床に沈める
注意点
・下痢、頭痛、高血圧、不眠症、低血圧、生理中の場合このポーズは行わないほうがベター
・ポーズに入ったら30秒~1分キープし、吐く息でゆっくりとツイストをリリースする
・反対側も同じ時間ホールドする
魚のポーズ(マッツヤーサナ)
後屈の魚のポーズ。
このポーズは、伝統的な文献によるとあらゆる病気を治すといわれており、その他にも腹筋と首の前側のストレッチ、背中上部の筋肉と首の後ろ側に強化、姿勢の改善、便秘解消、月経中の不調緩和に効果的。
ポイント
・両ひざを曲げたまま仰向けになり、両足を床の上におく
・吸う息で骨盤を床から持ち上げ、手のひらを下向きにし両手をお尻の下に入れて、両手の甲にお尻をのせる
・吸う息で前腕とヒジで床を押し、肩甲骨で背中を押す
・胴体上部を持ち上げて頭を床から離し、頭を床へおく
コツ
・両手をお尻の下に入れる前、前腕んとヒジは体側近くに引き寄せておくとポーズに入りやすくなる
・ポーズに入ったとき、背中のそらせ具合と胸を持ち上げる高さによって、後頭部か頭頂部が床につくようになる
・脚は、両ひざを曲げたままか両脚を床の上に伸ばしておく
・脚を伸ばす場合、太ももに力を入れアクティブにし、両方のかかとで床を押す
注意点
・高血圧/低血圧、片頭痛、不眠症、腰または首に故障がある場合、このポーズは行わない方がベター
・このポーズはなれていないと首を痛めることがあるので、ポーズの最中に首やのどに違和感を感じたら、胸を少し下ろすか、折りたたんだブランケットやクッションを後頭部の下に入れる
・ポーズに入ったとき頭への荷重は必要最小限にして、首を痛めないように意識する
・ポーズに入ったら15~30秒ほどホールドする
・ポーズから出るときは、吐く息で胴体をゆっくりとおろし、頭を床におろし、ヒザを曲げ脚をお腹に引き寄せ、そのまま数呼吸ホールドする
おすすめのヨガポーズ解説本
ふだんの生活でも肩甲骨を意識する
ヨガクラスやお家でストレッチをしている時だけでなく、ふだんの生活でも肩甲骨を意識してみましょう。
仕事場で
デスクワークをしているのであれば、肩が前に内側に入って背中が丸まりやすいので、最低30分に一回はストレッチをしましょう。
腕の付け根=肩甲骨から腕を動かすだけで、血流の滞りが改善されてきます。
仕事中に腕を上げてストレッチするのは難しいという場合は、両腕は上げない状態で肩甲骨から肩全体をまわしたりして動かすのも効果的です。
お家で
家事や普段の生活で腕を動かすことは多々あると思います。
洗濯を干すとき、掃除機をかけるとき、お風呂掃除をするとき、料理中に高い位置の棚から物を取るとき、ささいな動きも肩甲骨からの動きを意識しましょう。
ふだん行う動きで肩甲骨ストレッチに最も効果的な動きは、お風呂で背中を洗うときの動きです。これから背中を洗うときは、肩甲骨を意識しながら洗うとお風呂上りのスッキリ感が格段に上がります。
外出先で
電車を待っているとき、トイレで座っているとき、外出先でもふとした瞬間に肩甲骨から肩回りまわすと、少しの動きでもかなりスッキリします。
肩甲骨周りの筋肉が凝り固まってくるのがわかるようになると、少しでも肩が凝りそうだなと違和感を感じたら、肩甲骨に働きかける動きをしてみましょう。
肩こり知らずの姿勢美人を目指しましょう
姿勢が悪いと実年齢よりも老けて見えたり、頭痛や腰痛などの原因にもつながります。
姿勢は長年のクセがついてしまっていることが多いので、残念ながらすぐに改善されることは難しいでしょう。
しかし、日々の小さな努力で肩こりも姿勢も改善されていきます。
普段から肩甲骨を意識した生活をし、おうちやヨガクラスで肩甲骨周辺をたくさん動かし、肩こりと知らずの姿勢美人を目指しましょう。